このレビューはネタバレを含みます
共感しかない…。
この映画は監督の体験が元みたい。
最初から最後まで、トムとサマーはすれ違い続けた。
構成として、ほとんどトムからの目線だけで語られている。とにかくサマーの気持ちを表現するシーンが少ない。これはトムの心情を追いかける映画だから、トムがわからないことはこちらにもわからないようにできている。
でも監督はちゃんとわかってるんだろうな。こんな映画を作れるんだから。
つまるところサマーは、ただただ感情に素直なだけだった。しかし、サマーも求婚されていることをトムに隠していた。
サマー自身も理想と現実の間で戦っていたのである。
最初はサマーは「現実派」でトムは「理想派」だったのが、エンディングを迎える頃には真逆になっていた。
「この物語は男女の出会いの物語だが、ラブストーリーではない。」という冒頭のメッセージの意味をここでガツンと知る。
サマーに翻弄され、苦しみ続けたように見えるトムだが、それでも最後には、また一歩進むことができた。
涙が出た。
この映画は自分の今の状況に照らすと、デジャヴの連続だった。
辛くも勇気をもらえる物語。