SatoshiFujiwara

狙われた男のSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

狙われた男(1959年製作の映画)
3.8
新文芸坐シネマテーク

冒頭のジャズと(リチャード・ロドニー・ベネット。指揮がマルコム・アーノルドというのにびっくり)主人公の軽やかなステップによる街の徘徊めいた歩きを見てこれはリチャード・レスターの映画かよと思いそうになったが、その後女の部屋に潜り込んだ後の刑事の来訪に際して互いの勿体ぶったやり取りを見るにつけもはやこれはロージーでしかないとニヤッとするやらうんざりするやら(勿論否定的な意味ではなく)。ミシュリーヌ・プレールのファム・ファタールぶりは正しく『エヴァの匂い』を予告していてこの一筋縄の行かなさがエグすぎる(最後で本音が出るところは後年のロージーにはないような描写か)。テムズ川だか知らないが、末尾のあの川岸ってヒッチコックの晩年の作品のイメージに重なる。『フレンジー』だったかな。
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