居場所を失った男が老人ホームで再会した初恋の女性と手を携え故郷へ逃避行する話。
精霊の棲む島、アイスランド。
この世のものではない景色と消えゆく魂が天上の音楽に包まれる。
青みがかった映像がひたすら美しく寂しい。ひんやりとした湿り気のある空気が身も心も清らかにしていく。
老いと死と、今を自分らしく生きることを言葉少なく表している。染みた。
天国にいちばん近い島。
アイスランドの死生観は大自然と共にあり、「コールド・フィーバー」で日本の死生観と重ねていたように、土着の原始宗教とキリスト教がまざっているようだった。
漁師や農婦たちのドキュメンタリーフィルムも差し込まれ、かつてそこにあった人びとの息吹きと営みが感じられた。
美しいが謎邦題と謎副題。
原題は「ありのままの子どもたち」。
ビートルズの「Child of Nature」の故郷に帰ろうとする歌詞がこの作品に近い。
ブルーノ・ガンツがここにも…👼