「ロネガンをハメる。ルーサーの仇だ」
舞台は1936年のシカゴ。殺された相方の仇を討つため、大物ギャング・ロネガンを詐欺師集団がカモる一世一代の"騙し(STING)"を描いたクライムコメディ。
見事に騙された!後半の怒涛のどんでん返しが見事すぎる。コンフィデンスマンJPの構成はここから着想を得ていたのか…。
あくまで悪者からしかカモらないゴンドーフがクールだし、ポーカーのくだりや後賭けのシーンはスカッとした。店ごと"吊り店"にして違法場外馬券場を作っちゃうというアイデアも豪快で好き。
相方が殺されたり警察に追われたり内容はシリアスな部分も多いんだけど、終始コミカルに観れるのが凄いなと思った。
紙芝居風に幕間の絵が入るのが良いし、テーマ曲の「エンターテイナー」も軽快で楽しい気分にさせてくれる。
以下、セリフメモ。
「私も年だ。もうやれない」
「ヘンリー・ゴンドーフに会え。シカゴの親友だ。ピカイチだ。色々と習うんだな」
「イヤだ。君と働く」
「廃業した」
「"引っかけ屋"、しばらくだな」
「とんだ初対面だな」
「国会議員を株券でハメた。GEを乗っ取る気でいたぜ。おかげでFBIに追われてる」
「文無しか」
「"吊り店"の経験は?」
「奴が使うカードは分かったか?」
「奴は8と9に印をつけてる」
「酔ったふりで油断さす」
「…9が4枚」
「…ジャックが4枚。1万5000ドルの貸しだ」
『ナラガの第4…単でブルーノート…』
「黒幕がいる。下町の電報局長だ。全国のレース結果がそこから流される。それを数分間抑えて我々に先に知らせる。その後で町中の馬券屋に結果を送る。警察にバレない限り確実だ」
「分かってないな。世界一の大芝居だと言うのに、そんな危ない橋を渡る奴があるか」
「"ねじり屋"。局長にあす3時に会わせろとさ」
「FBIのポークだ。ゴンドーフが何かやるらしい。いつやるかを教えろ。そこへ乗り込んで捕らえる。君は釈放だ」
「考えろ。とんだ巻き添えだ。婆さんまで刑務所に入れる気か?」
「復讐のための詐欺じゃつまらない」
「じゃあなぜやるんだ?」
「楽しいからさ」
≪THE STING(最後にぐっさり)≫
「危なかった…!女の名はロレッタ・サリノ。ロネガンの手先だ」
「昨夜やれたのに」
「君が行くのを人が見た。プロ級だ。シュルツ組にいた」
「君は?」
「ヘンリーに頼まれた護衛さ」
「ヒッキー。本職のデカも顔負けだな」
「スナイダーも信用しきってた。ロネガンをしょっぴいて行ったぜ」
「分け前は?」
「いらんよ。どうせスッちまう」