いろどり

炎628のいろどりのレビュー・感想・評価

炎628(1985年製作の映画)
4.5
久しぶりの投稿。

「ぼくの村は戦場だった」の少年も、「動くな、死ね、甦れ!」の少年も、世の中に対して諦めたような鋭い目つきが印象的だった。

本作の少年はそれらを上回る強烈な絶望と怒りを全身から放っていて多分、一生忘れられない。
序盤で見せる思春期のかわいらしい笑顔が、終盤では年齢もわからないほどしわだらけで憎悪一色になってしまう。
こんな恐ろしい描写はなかなかない。
ソ連の戦争映画の少年はどうしてこんなに記憶にこびりつくのか。

ベラルーシの村の人々の心とシンクロするような不穏なノイズ。
ラストの逆再生と少年の顔のどアップは夢に出てきそう。

ナチスドイツはユダヤ人虐殺に注目が集まるけど、ベラルーシの628の村々を焼き払った大量虐殺の戦争犯罪を忘れてはならない。

紛れもないソ連の戦争映画の傑作。
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