いの

肉屋のいののレビュー・感想・評価

肉屋(1969年製作の映画)
4.0
肉屋
この邦題だけでご飯3杯いけそうです。なんという力強いタイトル。これ以上ない簡潔さ。最近のなんとなくそれっぽいような邦題や副題つけてる方々には是非見習っていただきたい。


そもそも何をもってしてクラシックと称するのかわかってないし、この1969年制作の映画がクラシックの範疇にあるのかどうかもわかってないけど、とにかくアタシの持っているイメージとして、クラシック的なるものはなんとなく敷居が高くて、観るのにちょっとした覚悟が必要。でも、この邦題にうっかり惹かれて観てみたらあらまあ、なんて面白い。


さて。餅は餅屋。肉は肉屋です。とにかく敷居が高くない。普通に(この〝普通に〟はもちろん褒めてるの意)入っていくことができる。もしかしたら、推定30代前半のキレイな女性:エレーヌ校長先生の視点を通しているのも、アタシにとっては観やすい一因となっているのかもしれない。サスペンスということだけど、途中まではのどかに、そしてある小道具登場&血の雨から一気に話が加速する。ポポール(ジャン・ヤンヌ)は、キレイなセンセイの前だと、小学生の僕ちんのようになっちまう。憧れ。彼が、戦争での悲惨な経験を何回か語る(それは第一次インドシナ戦争のことだと推測する)。小学生の課外授業で洞窟のなか壁画をみて歩きながら、エレーヌ先生がクロマニョン人の説明をするのですが、あれはまさかラスコーだったりするんでしょうか? ただいま世界史学び直し中なので、一気にテンションが上がりました。あと、小学生たちの書き取りの授業で、エレーヌ先生が読み上げていたのはオノレ・ド・バルザックの書いた文だった(エレーヌ先生は、「バルザック」じゃなくて「オレノ・ド・バルザック」と子どもたちに教えていた)。観た映画がいろいろ繋がっていくからそれも楽しい。と、映画の筋とは全然違うことを書いちゃったw
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