XXXXX

さすらいのXXXXXのレビュー・感想・評価

さすらい(1957年製作の映画)
4.2
初めてのミケランジェロ・アントニオーニ監督レビュー!スティーブ・コクラン、アリダ・ヴァリ、ドリアン・グレイ出演。

「もう愛せない 好きな人がいるの🥺」

と妻に去られる男。男は幼い娘を連れ当てのない旅路に。
モノクロームが美しい作品でした。
妻の身勝手さにより、孤独のどん底に突き落とされる夫。
娘との人生の空虚さを味わう旅路、そこで出会う女たち...。

奥行きを使った演出が見事で、人生の空虚さを表現していたと思います。
ウォン・カーウァイは、アントニオーニに一番影響受けたと自身が語っていましたが、もしかしたら『花様年華』とか今作をヒントにしたかもね!

1950年代イタリアの片田舎は、オシャレとは呼べず、かなりシケた感じでした。笑
イタリアンファッションの原点と言うべき、おばさんが、1人で切り盛りしてそうな仕立て屋さんが雰囲気あって良かった。

主人公のお母ちゃんは、「あんな娘と一緒になるんじゃないよ😡」と冷たい!笑
出ていこうとする妻に、往復ビンタ喰らわす旦那。笑
甲斐甲斐しい娘にも、どう接していいか分からず。
父娘でヒッチハイクをしたりと、結構旅は過酷!厳しい環境でもたくましく成長する娘には号泣!(韻を踏んだ🫠

揺れ動く複雑な女心。今NHKでやってる朝ドラ『舞い上がれ!』は、主人公の舞が揺れ動き過ぎて、もはや何のドラマか分からなくなり、前まで出勤前に見てましたが、もはや見るのやめました(何の話だ🥺

まあ、言ってしまえば昼ドラにありそうな陳腐な作品かもしれないけど、他のレビューされてる方も書いてる様に、小津安二郎テイストも感じました。荒涼とした大地が寂しさを募らせます。「貧乏人は店に来るな」と壁に書いてある商店があったりと、イタリア怖い!!
正に津軽海峡冬景色ィィィ!!

原題の意味は「叫び」。まさにラストはカオス過ぎて叫びそのものです!!
愛の不毛や人生の空虚を、リアリスティックに表現した作品でした。
XXXXX

XXXXX