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ラスト サムライのばんがどのレビュー・感想・評価

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
4.2
公開当時、どうせヘンテコハリウッドジャパン映画だろ?っと高を括って観に行ったら…意外といいじゃん…ええやん…感動!!と劇場を後にした記憶。
そりゃまぁ明治時代なのに戦国武将や忍者が出てきたり、ニュージーランドの立派なシダ植物が生い茂っていたりツッコミどころはある。しかし、武士道と侍という日本の男性感だけでなく、奥と家内という日本女性感も肯定も否定もせずたんたんとあまり違和感もなく描いてるためツッコミどころなんてどうでもよくなる。
ストーリーの体裁はアラビアのロレンスやダンスウィズウルブズのような贖罪の皮を被った白人救世主映画だし途中まではそう観てた。ただトムクルーズは救世主としては描かれておらず、明らかに現代日本人に向かって突きつけてられている本作のメッセージは日本刀のような切れ味で心に迫ってきた。アメリカではコケて日本で大ヒットしたことも頷ける。
日本人キャストも全員がどハマり。独眼竜政宗と太平記という名作大河の主役2人はもう言うまでもなく、和装美人の頂点のような小雪も本当に素晴らしい。敵役の原田監督もノリノリで楽しそう。大久保利通と岩崎弥太郎を足して2で割ったようなTHE日本人に嫌われそうなキャラを流暢な英語で見事に演じ切ってる。さすがキューブリックに認められた男だ!(戸田奈津子はクビにされたのに笑) 今日本の芸能界で誰をキャスティングしてもコスプレ感や薄っぺらさが出てしまいこのような作品にはならない気がする。ある意味本当のラストサムライムービーなのかもしれない。
20年ぶりに劇場で再開させてくれたミッドランドスクエアシネマさんとワーナーさんに感謝です。
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