ういん

秒速5センチメートルのういんのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.7
第三話の「この数年間、とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのか、ほとんど脅迫的とも言えるようなその思いがどこから湧いてくるのかも分からずに、僕はただ働き続け、気づけば、日々弾力を失っていく心がひたすら辛かった。」という台詞、
遠野君の諦めたような瞳に身に覚えがあった。

長い時間が経ち、自分が一体誰の影を追いかけているのかも分らなくなってしまって、誰と居ても何を見ても違和感を感じ、季節が巡る度に五感が刺激されて呼び覚まされる遠い思い出で心を慰みながら、ここ数年東京で彷徨っている。
殆ど同じような状況で生きている自分に刺さればそれでいい、と思う。
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