カトキチ

題名のない子守唄のカトキチのレビュー・感想・評価

題名のない子守唄(2006年製作の映画)
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過去と現在が見事な編集で交錯し、説明的なセリフや演出は皆無。緩やかに流れるカメラワークは乾いた街を見事に捉え、主人公の心情とシンクロするように冷たく映る。主人公は一体何の目的で動いてるのか皆目見当もつかないのだが、その行動ひとつひとつに注目してしまい、なんて事ないシーンでも、手に汗握る事必至。モリコーネの音楽もその演出を援護射撃するかのように、優雅に流れ、類い稀なる相乗効果を生んでいる。感動作を撮るイメージのトルナトーレの暴力とアブノーマルなセックスにまみれたミステリー。傑作。
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