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母と子のらんらんのレビュー・感想・評価

母と子(1938年製作の映画)
3.5
渋谷実監督作品
出演は田中絹代、佐分利信、吉川満子ら

【内容】
母と子(吉川満子&田中絹代)はお妾さんのお家です
最近では母の体調がすぐれない上に、父(河村黎吉)もめったに会いに来てくれなくなっています

どうやら父は冷めきっていて扱いに困っていて、遠くへ引っ越しさせたり娘に婿候補(佐分利信)を選んで2人を押し付けようとしたり
それでも愚かな母はおめでたく疑うことを知りません
そんな不憫な母を支えていく娘、異母兄(徳大寺伸)は異常な親達に疲れちゃってやさぐれ気味

一方、真面目で優しい男として婚約者に選ばれた佐分利信なんですが
専務である父の娘と結婚することで出世を目論んでおり、お互い好き合っていたはずの娘(水戸光子)を遠ざけ始めます

佐分利信&水戸光子の関係を知ってしまった田中絹代はショックを受けます、さらには体調の優れなかった母がついに倒れるも、、、父はやはり会いに来ないのでした

【感想】
昔の映画というか戦前の映画見てるとよくある「ええーこんな終わり?このまま終わりなの?」って思っちゃうやつ
こういう救いのない、後味悪い終わり方だとどうしても高評価つけにくい

もちろんそういう風に作ってるんだろうけど、うーーん、何とも言えないか、、、個人的にはこういう展開は望んでなかったけど、こういうお話、映画なんですって言われたらそうか

原作は女流作家みたい、なるほど
男女の醜いところ、ずるいところなんかを描いてるわけね
男は表ではいい顔しといて都合が悪いと忙しい忙しい、で裏ではやましいことしてるのね
女は女で、このお母さんはそんな男に都合のいい愚かな女なわけ
やだやだ、見ていて辛いわ、、、父だけじゃなく母も問題あるからねこれ
田中絹代が健気で不憫、だけど劇中言われてるように強いよね、やさぐれてる徳大寺伸のが共感出来るもん

あとは佐分利信について
そんな悪いやつじゃないと思う、何かと親身に母子に接してくれてた、これは出世目当てではないと思う
水戸光子との関係にしたって騙すとかでもないだろうし
たぶん水戸光子を傷つけたくなくて言えなかった気もする
そのまま田中絹代と結婚しててもお母さんを大事にしただろうし
、、、違うかなぁ?劇中人によって態度変えてたりも見えてたから違うのかなぁ?いざ結婚して旦那様になったら変わるタイプかなぁ?
田中絹代じゃないけどこの映画の男の本性がひどくて不信が感染っちゃうよ

・出演者メモ(年齢)
田中絹代(29)、綺麗かわいい、踊り(能?)のシーンも良かった
佐分利信(29)、うすのろっぽいけど真面目で優しい男、意外と調子に乗るタイプ?
吉川満子(37)、個人的には怖いイメージなんだけど、この映画では柔らかい、子供のように友達のように田中絹代とキャピキャピはしゃいでいたりする姿が意外だった、そして当時37なのか、見えないw

その他
河村黎吉もイメージと違うかも、こんな役も出来るんだ、さすが名優だわ
水戸光子は相変わらず綺麗、かわいい、そんな子を悲しませたくない

松井潤子
母の妹役で出演、マダムやってるらしいから姉も昔はそれ関係でおめかけかな
姉とは正反対に男を疑ってかかる女性役、なかなか綺麗な人で気になって調べた
映画出演は戦前のみ、この映画の翌年には引退している
その理由が、あの水原茂と結婚してて家庭に入るため?知らなかったわ
しかも水原茂は田中絹代とも交際してたって?知らなかったわw 結婚は1935年だとか、そんな田中絹代と松井潤子が共演してるのか、いろいろ考えちゃうわw
らんらん

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