佐藤克巳

忠次旅日記 御用篇の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

忠次旅日記 御用篇(1927年製作の映画)
4.5
娯楽映画の画期となった記念碑的傑作。六方を踏む歌舞伎の手法をふんだんに盛り込み、迫力ある形相のアップとフラッシュバックが際立つ劇画を読む様な鮮やかな演出が見事な伊藤大輔監督の快心作。三部作の三部で欠落部分はあるものの、終盤国定村の大河内傳次郎と伏見直江の迫真な演技と、実録物に匹敵するチャンバラ劇の凄まじさが残光に残る、後の時代劇の模範となったであろう偉業を成し遂げた伊藤監督と撮影の唐沢弘光には敬意を表したい。
佐藤克巳

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