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花様年華のkazu1961のレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「花様年華」
Original Title :「花様年華 In the Mood for Love」
▪️First Release Year:2000
▪️JP Release Date :2001/03/31
▪️Production Country: 香港
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-356 再鑑賞
🕰Running Time:98分
▪️My Review
赤を軸としノワール調のカラーとその映像美が印象的。本作、「花様年華」は、深くて美しく成熟した情感ある作品ですね。
本作は、分別のある大人の男女の不倫の愛を官能的なノワール調の映像美で描くウォン・カーウァイ監督のラブストーリーです。時代背景や設定など同じカーウァイ監督作品『欲望の翼』の姉妹編的要素も多いですが、それでもどこか彼の他の作品群とテイストが異なるのは、製作時期が香港の中国返還以前と以後の違いによる作家の姿勢の変化でもあるようです。
そして、非凡なカメラワークがとても印象的。不倫の主人公二人が一緒にいるところを映すカメラは、路地の角の奥からだったり、窓の外から室内を窺う位置だったりと、二人を「覗き見る」ような視線で撮っています。クローズアップを多用する場面もとても印象的です。そして、主人公二人のそれぞれの不倫をしているパートナーの映像は出てきません。この辺りの仕掛けがより想像力を高め作品に深みを与えています。
さらに大人の不倫をより情感を伝えるために、キスシーンや抱擁シーンないに等しいです。しかしそれでもお互いの気持ちが、たっぷりの情感となって伝わってきます。
主人公を演じるトニー・レオンとマギー・チャンの演技が、これ以上ないほどに情感に満ちた雰囲気をこれでもかと伝えてくるのも素晴らしいですね。
1960年代の香港を舞台に、既婚者同士の切ない恋を描いた本作、主人公のチャウは香港の短編作家・劉以鬯(ラウ・イーチョン)がモデルとなっています。また相手のチャン夫人の名前は同監督の『欲望の翼』で同じマギー・チャンが演じた人物と同じスー・リーチェンで、本作は『欲望の翼』の続編、『2046』の前編ともいわれています。
本作でトニー・レオンがカンヌ国際映画祭にて男優賞を受賞。その他、モントリオール映画祭最優秀作品賞、香港電影金像奨最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、金馬奨最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、ヨーロッパ映画賞最優秀非ヨーロッパ映画賞、2001年セザール賞外国語作品賞など多数受賞している作品です。
物語は。。。
1962年、香港。新聞社の編集者であるチャウ夫妻がアパートに引っ越してきた日、隣の部屋にもチャンが夫と引っ越してきました。チャンは商社で秘書として働いています。ふたりとも忙しく、夫や妻とはすれ違いが多かったのです。やがて、チャウは妻がチャンの夫と不倫していることに気づく。怒るチャウは復讐心からチャンに接近していきますが。。。
ラストのアンコールワットの風景は凄い余韻を残しますね。
英BBCが選んだ「21世紀 最高の映画100本」で、2位に選ばれているそんな作品です。

▪️Overview
「欲望の翼」「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ監督がトニー・レオンとマギー・チャンを主演に迎え、それぞれ家庭を持つ男女の不倫の愛を描いた恋愛ドラマ。1962年、香港。新聞編集者の男性チャウと商社で秘書として働く女性チャンは、同じ日に同じアパートに引っ越してきて隣人になる。やがて2人は互いのパートナーが不倫関係にあることに気づき、時間を共有するように。戸惑いながらも、強く惹かれ合っていくチャウとチャンだったが……。設定の一部や世界観は「欲望の翼」から引き継がれており、さらに2004年製作の「2046」へと繋がっていく。第53回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞とフランス映画高等技術委員会賞を受賞。日本では2001年に劇場公開。18年2月、カーウァイ監督の「欲望の翼」デジタルリマスター版の公開にあわせて、Bunkamuraル・シネマで特別上映。(引用:映画.com)
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