回想シーンでご飯3杯いける

グッドフェローズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
3.6
ロバート・デニーロやアル・パチーノが出演しているマフィア物を見漁った時期があって既に食傷気味だったのだが、Filmarksでも非常に評価が高いみたいなので鑑賞した。

一応マフィア映画ではあるけど、ゴリゴリの怖い連中というより、コミカルな描写もあって、下町に本拠地を構える中堅どころのチンピラの話といった趣き。イタリア系の幹部に対して、本作の主人公格で登場するデニーロやレイ・リオッタはアイルランド系で、あくまで現場を仕切るポジションだ。

限られたコミュニティの中での威勢の張り合い。しかし、誰かがヘマをすれば足元をすくわれ、組織そのものが音を立てて壊れていく。本作は実話ベースらしいが、基本的にマフィアを格好良く描き過ぎないのが良い。繁栄と衰退の両方を描くところに、映画としての味がある。

しかし、マーティン・スコセッシの映画は、語り口がややくどい。「アイリッシュマン」もそうだったが、長い年月に渡る物語を、ナレーション付きの律儀な構成で見せるので、せっかくのドラマティックな映像も、全体の中で埋もれてしまうように感じる。

出色だったのは、終盤でローリングストーンズ等の音楽が、スピーディーに挿入される構成。スコセッシはストーンズのライヴ映画にも監督として携わっており、本作で挿入される選曲のセンスも良い。