ミシンそば

チャドルと生きるのミシンそばのレビュー・感想・評価

チャドルと生きる(2000年製作の映画)
3.0
ジャアファル・パナヒ監督が、多面的な視点で手掛け続ける、イラン政府にとって不都合である作品群の一つ。
パナヒ監督作で「人生タクシー」はかなり好きだったけど、本作は個人的には好きではない。
あまりにも的を射ていない、論点をぼかしている、おためごかしのような邦題も含めて。

英題の「The Circle」が指す通り、本作は主役も取り巻く状況も目まぐるしく変遷し続ける群像劇だ(あまりに目まぐるしいから、観るのになかなか頭を使う)。

イスラム教国での女性の立場が悪いのはある程度分かっていた(今と比べて20年以上前の映画だから間違いなく今以上に悪かっただろう)。
が、罪悪感がないように自然に女性蔑視が横行しているのにはやはり根の深さを感じる。
病院での出産からすぐに話が移り、脱獄してきた女性たちの話から始まる。
彼女らが切羽詰まってる感も出してるもんだから優しさとかに行き当たる場面もそりゃああるが、自分はそれよりも明確に多い不寛容さばかりに目が行った。
だから短いランタイムなのに非常に疲れたし、もう一度は観たくないかな。