ヒロオさん

怪談のヒロオさんのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
3.9
小泉八雲の『怪談』に収録されている「黒髪」「雪女」「耳なし芳一」「茶碗の中」の4篇を映像化した怪談オムニバス!カンヌ審査員特別賞受賞。

面白い、面白くないの尺度で測れる作品じゃない。各篇の世界観を完璧に表現できており、もはや芸術の気品が漂う。わかりやすい怖さに偏重した今のホラー映画とは違う。

話は古典的で怖くないはずだが、重厚な迫力があって、少し血の気がひいた。日本の伝統芸能のような間の取り方、大物役者たちの深みのある演技があってこそである。映像は1965年とは思えないほど美しく、幻想的だった。

3時間はかなり長かったが、必要な尺だった。削ってしまうと間が無くなり、作品はきっとダメになる。ちなみに私は「雪女」が切なくてお気に入り。仲代達矢が良かった。
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