洋画好きのえび

クリムゾン・タイドの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)
3.9
潜水艦+主演:デンゼル・ワシントン+音楽:ハンス・ジマー!これはハズレなしの組み合わせと思って観ましたが、やはり面白かったです。ただ、潜水艦同士の戦闘モノではないので、派手な爆破や海中戦はありません。
あと、若かりしヴィゴ・モーテンセンが似合わない角刈りでキーパーソンを演じています。若い頃から渋くてカッコいいです。

1995年、ロシアでチェチェン紛争をきっかけに超国家主義者ラドチェンコが反乱を起こし、ロシアは内戦状態に陥った。反乱軍は大陸間弾道ミサイルを発射できる基地を手中におさめ、自身の要求を呑まなければ日米を核攻撃すると脅迫。これに対し、アメリカ政府は、原子力潜水艦「アラバマ」を出撃させることを決定した。「アラバマ」の艦長は湾岸戦争での従軍経験もあり、実戦経験豊富な叩き上げのラムジー大佐。彼は、ハーバード大学卒のエリートにしてアフリカ系のハンター少佐を新たな副長に迎え、アラバマは太平洋に向けて出港する。しかし、たたき上げであり、実戦政権に基づいた判断に重きを置くラムジー大佐と、実戦経験は無いものの、理論的であり政治戦略にも知見のあるハンター少佐は、互いにその考え方の違いから対立して行く。
出港から6日目、北太平洋を航行中のアラバマに「反乱軍が弾道ミサイルに燃料注入を開始。発射を阻止すべく先制攻撃を加えよ」という暗号指令が届く。ところが、同時にアラバマの近くに潜んでいた反乱軍の潜水艦がアラバマに攻撃を開始。アラバマはなんとか敵艦の攻撃を間一髪で回避するものの、アンテナが損傷し、受信しつつあった新たな暗号指令の受信が中断してしまう。
途中まで印刷された指令文の解釈をめぐり、既に受信した暗号指令に従い核ミサイル攻撃の準備を続行すべきだとするラムジー大佐と、新たな暗号指令の内容を確認するまで攻撃を待つべきだと主張するハンター少佐。世界を守りたいという思いは同じ。ラムジーとハンター、正しいのは一体どちらなのか…

派手な戦闘モノではありませんが、とんでもなくドキドキハラハラさせられました。いやー、面白かった!!
この映画の世界では、アラバマに搭載された核ミサイルの発射ボタンは潜水艦の艦長が押すことができる、ということになっています。つまり、ハンター大佐がポチッとやれば即ロシアに核攻撃ができるという状況。
反乱軍に先制核攻撃を許せば、多くのアメリカ人、日本人が死んでしまう。だからこそ核ミサイルを発射しなければならないというラムジー大佐。もし、新しい指令がミサイル発射の中止命令だったなら、アラバマがミサイルを発射することで本来起こる必要性の無い第三次世界大戦が勃発してしまう、それだけは避けなければと主張するハンター少佐。どちらも間違ってないんですよね。多数の人命がかかった判断ですから、ラムジー大佐もハンター少佐も互いに譲りません。そして、軍規上、どちらの対応も間違っていないというジレンマ。最前線で戦う軍人たちの置かれた過酷な状況に、観終わった後思わずため息を吐きました…

シリアスな戦争モノやデンゼル・ワシントンが好きな方にはおすすめです!