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ナポリの饗宴の一人旅のレビュー・感想・評価

ナポリの饗宴(1954年製作の映画)
4.0
エットレ・ジャンニーニ監督作。

ナポリを舞台に繰り広げられる絢爛豪華な歴史絵巻ミュージカルで、狂言回しとなった辻音楽師一家によって、悲喜こもごもに語られる複数のエピソードが緩やかに繋がれていきながら、南イタリアの港湾都市ナポリの歴史と文化と風俗を謳い上げています。

ミュージカル(というよりオペラ)が全編を彩った色彩豊かなカラー作品となっていて、「オー・ソレ・ミヨ」や「フニクリ・フニクラ」といったお馴染みの民謡を始めとして数多くの歌曲が使用されています。大掛かりなセットや細部まで作り込まれた美術、衣装も見所となっていますし、大人数が一斉に躍動するクライマックスのミュージカルシークエンスは圧巻の迫力となっています。

16世紀のサラセン人の侵入~20世紀の第一次・第二次世界大戦終結までのナポリの歴史と文化・伝統を、イタリア人らしい底抜けの楽天性を基礎にして明朗に描いていくオムニバス仕立てのナポリ賛歌ミュージカルで、撮影当時19歳のソフィア・ローレンがフォトモデル役で堂々の貫禄を見せつけている点にも注目の一作であります。
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