ピッツア橋本

あるスキャンダルの覚え書きのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.4
"Note everything you knew"

15歳の教え子との情事に堕ちた二児の母ケイトブランシェットと、その秘密を握る初老の女教師ジュディデンチが織りなす奇妙で不快なラブサスペンス。

007のM役、ジュディデンチの潔癖な変態ぶりがヤバい。いっけん常識人で教師の鏡だが、その内情は愛が枯渇した寂しい初老の女性。
土日のスケジュールに何かしら埋まるだけで自身に金星シールあげちゃうくらい寂しい人間。

子育てに余裕ができてはじめた感の強い新人教師ケイトブランシェットの方は美人で優しく爽やかだが、実は刺激を求めていた。

基本的に胸糞展開が続き、人間不信に陥りそうな奇妙なリアリティが随所にある、本当に粘っこい映画。

ドラマティックな綺麗事がほぼ無くて、登場人物みんなが本当に脆い。
主人公ジュディデンチの独白が言葉尻だけ英国風で、発想が容赦なくゲスい苦笑

想像以上に濁って深い水溜りみたい。

ラストカットは怖くもあり、彼女の一貫性もありでとても良かった。

脚本の尺も実に無駄なくまとまっていて良作だなあと思えた。

ちょっと肝冷やして涼むのに良い映画です。
ピッツア橋本

ピッツア橋本