最初、違う劇場に入ってしまったんじゃないかと驚いてしまう。序盤にバーンと打ち出されるタイトルは「重慶森林」。
観終わった後にだいぶ前に買っていた4Kリマスターのパンフを読みながら、ウォンカーウァイ映画は最初から"おしゃれ"さを狙って売り出されていたのだろうな、と思った。原題からも内容からも直接的には想像がつかない「恋する惑星」という邦題も、ちょっと嫌な言い方にもなるけどおしゃれなタイトルだ。
どうしてこの作品が代表作として広く受け入れられているのだろうか、と不思議になる。日本におけるかつての映画のおしゃれ受容というのはものすごい力だったのだろうと思った。もちろんそれが今までの日本の映画産業を支えたもののひとつなんだろう。ただ、わたしは先に観ていた「ブエノスアイレス」や「花様年華」の方が圧倒的に好き。
