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霊魂の不滅のkazu1961のレビュー・感想・評価

霊魂の不滅(1920年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「霊魂の不滅」
Original Title :「Thy Soul Shall Bear Witness Korkarlen」
▪️First Release Year:1920
▪️JP Release Date :1922/02
▪️Production Country:スウェーデン
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-334 再鑑賞
🕰Running Time:93分
▪️My Review
映像の美しさと音楽が心地良い世界へ引きずり込んでくれます。これもスウェーデン作品ならではか。。。
フラッシュバックを多用した物語構造や、二重露光を駆使して撮影された幻想的な映像美は、製作当時としては革新的なものであったようです。オーヴァー・ラップで生死の境にいることを表現する手法が、今観ても夢のような美しさを感じることができます。
本作、1912年に発表されたセルマ・ラーゲルレーヴの小説『幻の馬車』が原作の映画化で、監督であるヴィクトル・シェストレムが、主演と脚本も担当しています。そのテーマ性も素晴らしく、
「血も涙もない冷たい社会の中で少しずつ崩壊していく人間の尊厳」と、「それによって狂気にかり立てられ蛮行に及ぶ社会の犠牲者たち」が作品の主要なテーマになっているんですね。
現在ではスウェーデン時代のシェストレム監督の最高傑作であると同時に、スウェーデン映画史上で最も重要な作品の一つに数えられています。

物語は。。。
死の床にある救世軍の若い女士官エディトは常に心をかけていた浮浪者ダヴィド(シェストロム)を立ち直らせたいと念じていました。その大晦日の夜、その彼は酒をあおって、仲間の浮浪者二人に墓地で、新年を迎える瞬間に死んだ者は次の一年、死神となって馬車で世界中の死せる魂の案内役とならねばならないという伝説を聞かせました。ちょうど年越しの鐘が高らかに鳴らされた時だでした。彼は酔って喧嘩をし、酒瓶で殴られ昏倒し、お役御免の死の御者が彼を迎えに、そして彼の交替に現われます。召されることを納得しないダヴィドは彼の経歴を御者に語ります。かつてよき家庭人であり労働者の彼も酒の魔力に囚われてすべてを失った口で、行き倒れかけた不潔な彼に自分の寝具さえも与えた愛の人がエディトでした。ダヴィドは改悛し、妻子のもとに再び帰りましたが、それも束の間、彼の悪癖は止まず、路上での暮らしに舞い戻っていたでした。御者はしばし彼を〈死の馬車〉に乗せ、死者の世界を案内することにしました。それは恐ろしい光景で彼は震えあがります。そして、現在の妻子の困窮し果てた生活も見せます。天国へ旅立つため、彼らの迎えを受けたエディトは、彼を連れてはいけないと、その更生を彼に誓わせ、改めて御者に哀願しました。妻は人生に疲れ、子供たちを道連れに毒をあおろうとしています。ダヴィドは猛烈に後悔し、泣きました。御者はこれを見て、現世で精いっぱい生きるよう彼の魂を肉体に還しました。急ぎ妻子のもとへ駆けつけた彼は、脅える妻に跪き謝り、堅く抱き合います。エディトは心残りなく昇天するのでした。。。(参考:allcinema)

youtube で鑑賞できるのも良いですね。挿入字幕も簡単な英語なので何とか理解できました。

▪️Overview
「生恋死恋」「波高き日」等に主演したヴィクトル・シェーストレム氏が監督、主演をした心理表現劇で、全篇殆ど二重露出ばかりである。原作はスウェーデンのノヴェル賞金受領者セルマ・ラーゲレーヴ女史で、スウェーデンのアーヴィングと呼ばれて居るシェストロム氏が主演を兼ねている。無声。(引用:映画.com)

出演は、ヴィクトル・シェストレム、ヒルダ・ボルグストレム、トーレ・スヴェンボルグ、アストリッド・ホルム。
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