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沈黙のchiyoのレビュー・感想・評価

沈黙(1962年製作の映画)
3.5
2023/1/30
「神の沈黙」三部作の3作目。過去2作と比べると神の気配が感じられないけれど、神=愛と捉えるなら確かに神は沈黙していた。とにかく姉エステルと妹アナ、二人の間に隔たる溝がとてつもなく深い。そして、二人ともが精神的に問題を抱えている。前者は寂しさを埋めるためのアルコール依存症、後者は姉から逃れるための性的な奔放さ。一見すると姉の方が重度に思えるけれど、実は妹の方が息子ヨハンへの影響もあり、自身にも周りにも罪深いと言える。また、言葉の通じない地に降り立った三人の、三者三様な交流も興味深い。中でも、ヨハンと小人の劇団員の交流が可愛らしくて微笑ましい。最終的に決裂した姉妹は、もう二度と会うことはないと思う。唯一残された希望は、ヨハンの手の中にある“精神”のみ。それにしても、給仕の思い出の写真を隠したヨハンは良くない。
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