がんびーの

沈黙のがんびーののレビュー・感想・評価

沈黙(1962年製作の映画)
4.0
神の沈黙三部作の三作目。
前二作は未鑑賞。特に繋がりはないようなので問題なし。

無駄な演出を削ぎ落としたことで、かなり直球な、でも難解な本作品。心してみたが、やっぱり難しかった。

姉が翻訳家であることが物語の肝なのかなと思う。ある姉妹と妹の息子の3人で海外に旅行に行くが、その道中で姉が体調を崩してしまい、急遽そこら辺のホテルに泊まることになる。ホテルの給仕係のお爺さんや他のお客の小人たちとは、海外ってこともあって全く言語が通じない。ただ、翻訳家の姉は、言語を使わず身振り手振りで給仕係とコミュニケーションを取って仲良くなる。でも妹はそんなことせず、言葉が通じないのを良いことに、姉の悪口を吐いたり、二人に秘密で男と遊んだり。

異国人=神と仮定したら結構納得できる。
神と人間を結ぶ役割が、他国の言語と自国の言語を結ぶ翻訳家の役割なのかな。そう考えれば、姉が男に溺れる妹に対して「可哀想ね」と呟くのもわかる。そしたら息子はどういった立ち位置なんだろう。息子は純粋が故に、あの時代世間から軽蔑されてたであろう小人と仲良くなるし、給仕係からも彼の大切な家族の写真をもらう。子供は一番神に近い存在って意味か。

難しいテーマだけど、色々考察できる作品。

ベルイマンの映画は構図が神がかってるよね。
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