YAZ

罪の天使たちのYAZのレビュー・感想・評価

罪の天使たち(1943年製作の映画)
4.5
ロベール・ブレッソンの長篇
デビュー作観る

元受刑者も受け入れるドミニコ会
女子修道院内の話で院内の雰囲気
は概ね忠実に再現したつもりとの
但し書きアリ

プロの役者使ってるせいか後の聖
なる世界観なく女性が集まるとこうだ
ろうなと多くの男が考える女の世界。
修道院なのに世俗的で面白かった
(と言っても理解度低い私は2回観て
ますけど)

「罪人を救うのが私の使命」と固く信じ
てるブルジョワジーな娘マリーと刑務所
も手に負えないテレーズ。
私に構わないで!のテレーズと彼女を救
おうとするマリーだが

人が集まり共に暮らせば厳密には違反な
んだけどこれぐらい良いだろう暗黙の
ルールらしきものがあり秩序が保たれて
るところあったりする。
そこにやたらと生真面目な人がこれは違
いますよねと言い出すと皆に煙たがられ
て正論も自我強いだけになる。
原理主義者のお嬢様マリー

院内で浮いた存在で居場所失ってゆく
マリーですがこの辺りが世俗的で堅くも
なくいわゆるブレッソンの映画とは違い
古典的なフランス映画の面白さが

それでも自分を信じるマリーとテレーズ
が対峙する終盤は世俗が消えて緊迫感高
まり別な世界に向かってる。
トーンが一気に変るの良かったしマリー
の信仰の力でしょうか

テレーズが残す一言と彼女の手のアップ
にはゾクゾクでありました
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