Supernova

ニーベルンゲン/ジークフリートのSupernovaのレビュー・感想・評価

4.1
初代モンスターハンター君ことジークフリート。僕の中では幼稚園生くらいの頃に始まった『バトルスピリッツ』の初代Xレアカードのドラゴンというイメージだけど、本当は人の方の名前っていうのを追々知って衝撃を受けた覚えがある。

一生厨二病人間だから英雄譚に弱い。神話を除いて今あるファンタジー作品に須く影響を与えたであろう名叙事詩の一つ。

本や活字とは違って映像ならではの創意工夫が随所に施されていて楽しい。『ドクトル・マブゼ』からわずかな期間でも既に進化している。

騎士たちが太陽を背に後光が差し込む情景に立ち並んでいるショットがドライヤーの『吸血鬼』の終盤の映像のように見えた。モチーフの絵画でもあるのかな?

話が一直線だから構成の妙みたいなものは感じられなかったけど、だからこその単純で古典ながらのストーリーの良さも実感できた。ただもっと複雑な群像劇を期待していたから、期待とは裏腹に湧き上がるような興奮は得られなかった。古くから愛される叙事詩というものに勝手に期待しすぎた。あるいは原著の方がより深く感情に訴えかけるような内容になっているのかもしれない。少なくとも本作を見て原典に興味が湧いたから読んでみようと思えた。

一つストーリーで気になったのはアームレットなんでクリームヒルトに渡した?
自分で管理しとけよ...自業自得じゃねえか...

小物からセットまで美術が本当に良くできていて中世ファンタジー好きであればきっとウハウハの作品だと思う。『イントレランス』に負けず劣らずの迫力。結婚式のロングショットとかで規模感がよく分かる。壮大で優雅。現に中世ファンタジーに詳しくない僕ですらそう感じたんだから間違いない。

所々冗長に思える場面もあったけど概ね楽しめた。第二部も楽しくみようと思います。
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