佐藤克巳

港の日本娘の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

港の日本娘(1933年製作の映画)
5.0
「泣き濡れた春の女よ」お浜岡田嘉子の前段とも思われる?砂子及川道子の横浜の清純可憐な女学生の転落物語を、清水宏監督が邦画離れしたフレッシュな映像感覚で描かれたサイレントの青春映画の傑作。親友ドラ井上雪子との通学路のいつもの場所に、不良青年ヘンリー江川宇礼雄が現れ砂子と相乗りバイクで海岸を走る仲に。しかし、フラッパー耀子沢蘭子がヘンリーを誘惑、砂子は教会で戯れる二人に銃を発砲、長崎から神戸に流れ夜の女に変貌。ドガは、回心したヘンリーと結婚。横浜に戻った砂子は二人の自宅を訪れ、ヘンリと軽やかにダンスを興じ復縁する。だが、ドガが子を宿したと知ると、居候画家斎藤達雄を連れて船旅に出る。毛糸の玉と見送り紙テープ、港の鴎が印象に残る。
佐藤克巳

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