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レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会うのkanacoのレビュー・感想・評価

3.3
ロックバンド〈レニングラード・カウボーイズ〉がモーゼに先導されメキシコを出発しヨーロッパを横断してシベリアへ帰郷するまでを描くシュールコメディ×ロードムービー。相変わらずのファッションセンスと素敵な楽曲は健在!でも前作で心地良かった彼らから滲み出る〈ほのぼの感〉は減っちゃったかも🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
ロックバンドの〈レニングラード・カウボーイズ〉が故郷シベリアからアメリカへ旅立って5年。メキシコでの成功によりしばらくは人気者だった彼らだが、やがてバンドメンバーにテキーラの魔の手が忍び寄る。わずか数か月でその酒によってメンバーは次々と命を落とし、生き残った者を犯罪に巻き込んだ。今やすっかり落ちぶれてしまった〈レニングラード・カウボーイズ〉の前に、メキシコに辿りついた時に行方をくらませていた元マネージャーのウラジミールが突然現れる。しかも「自分はモーゼに生まれ変わった」と言っていて…。バンドメンバーはモーゼの先導によりヨーロッパを横断して故郷シベリアへの帰還を目指すが…。

❶ロックバンド〈レニングラード・カウボーイズ〉、故郷シベリアへ帰るの巻

ロックバンド〈レニングラード・カウボーイズ〉がメキシコを出発し、ヨーロッパを横断して故郷シベリアへ帰郷するまでを描いたシュールコメディ×ロードムービー。『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』の続編となります。

極寒の地で誕生したアマチュアバンド〈レニングラード・カウボーイズ〉。

髪型はみんな長―いリーゼント、その先はゆるっと三角形▲。目にはサングラス😎、揃ってスーツ、先が長く尖がった妙な靴もチャームポイント。いつだって変わらないこのファッションセンス!

しかし今作は…。前作での頑張りによりメキシコで大成功した〈レニングラード・カウボーイズ〉のメンバーは、テキーラを飲み過ぎて大変なことに!死んでしまったり、犯罪者になってしまったり…。5年後に残ったオリジナルメンバーはまさかのたったの5人だけ!😭

そんな彼らの前に現れたのは、前作のゴールであったメキシコに辿りついた時に人知れず姿を消した元マネージャーのウラジミール。……あれ?ウラジミール🙄??ご本人はウラジミールではなくモーゼに生まれ変わったのだとおっしゃっています🤔そんなどうみてもウラジミールなモーゼ(前作のパワハラ・モラハラぶりが変わってない!)に先導されて、すっかり落ちぶれてしまった〈レニングラード・カウボーイズ〉はヨーロッパを横断して故郷のシベリアを戻ることを目指します。

❷シュールコメディから滲み出ていた〈ほのぼの感〉は減っちゃったかも

前作と同様、音楽を奏でながら旅をする彼らが繰り広げる珍道中をロードムービーにて描います。大笑いというタイプではないですが「ふふっ」と思わず小さく笑ってしまうようなシュールなコメディです。音楽も楽しめますし楽曲も良い。相変わらずな彼らのファッションも良いですが、特にリーゼント特注のカウボーイハットが映る度に謎過ぎて愉快になっちゃいます。彼らはリーゼントを切るくらいならカウボーイハットの前面に丸い穴を空ける🤣

ただ、個人的にストーリーは前作の方が好きだったかも…🤔

というのも前作は無名のバンドがビックになるという夢を抱えたポジティブな旅であり、ウラジミールにパワハラを受けつつもバンドもなんやかんやで一体感があり、音楽を奏でている時はウキウキ感もあって可愛かったのですが…。

今作はメンバーが5人に減ってしまい、テキーラに呑まれてスれてしまっており、ウラジミール…というかモーゼに対しては前作より反抗的、中盤で新しいメンバーが追加されても元メンバーは新メンバーに馴染まず、〈レニングラード・カウボーイズ〉全体にくたびれた感じが強く元気がないように思います。

それに加えて、今回は社会主義や宗教についての小ネタが多い気がするので、あまりモノを知らない私には「それ系なのだろうなぁ」というのは察することができても理解はできず…。社会主義や宗教への温度感も批判しているのか皮肉・揶揄っているだけなのかもイマイチ掴めず…。

前作と雰囲気や温度は同じなので〈ゆるやか〉なのは確かですが、シュールコメディから滲み出ていた〈まったり感〉〈ほのぼの感〉はあらゆる点で何かと“減”になっているように感じました🤔💦

🕶🐝「テイストは変わらないのですが、より〈ほのぼの感〉していた分見ていて心地良いと感じるのは前作の方が上だったかも…。5人になってしまったメンバーの哀愁とネガティブさが深まっていた気がします😂」
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