MiYA

疑惑のMiYAのレビュー・感想・評価

疑惑(1982年製作の映画)
3.5
胸糞悪い話だったなぁ。いわゆる悪女サスペンスなのですが、ふつうは「悪女」といっても、悲しい運命や境遇に同情する余地があったりするもんですが、本作の桃井かおりは性格が悪過ぎる。しかも地頭が良いのだから手がつけられない。これは映画史に残る「悪女」だと思います。

協力し合うはずの被告人と弁護士がなぜか火花を散らすところもすごい。「化け物には化け物をぶつける」という「貞子vs伽耶子」方式で、この稀代の毒婦に対等に対峙できるのは岩下志麻しかいないよなという謎の納得感があります。

彼女は本当に夫を殺したのか。新しい証拠が出てきたり、証人が証言を覆したりと、法廷ミステリーの展開にも目が離せまん。誰もが彼女に正義の鉄槌を下して欲しいと思うのですが、期待した結末にならず、非常に気分が悪い。なんとか最後に岩下志麻がビシッと言ってくれて、やや溜飲が下がりましたが。

BS松竹東急「よる8銀座シネマ」にて。
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