kazu1961

女相続人のkazu1961のレビュー・感想・評価

女相続人(1949年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-721 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-505

🖋鮮烈なラストシーンは圧巻でした。家に入れなくなって絶叫するモリス、灯りを消しながら階上へと笑みすら浮かべながなら階段を登っていく主人公のキャサリン。。。モリスがキャサリンを裏切り迎えに来なかった時の焦燥しきって階段を登っていく中盤のシーンとの対比、そしてモリスにオーバーラップする“The End”の文字、あまりにも見事過ぎる鮮烈なラストシーンでした。

🖋本作、オリヴィア・デ・ハヴィランドのオスカー受賞の渾身の演技を堪能できる作品です(妹のジョーン・フォンテインも『断崖』でアカデミー主演女優賞を受賞している凄い姉妹です)。本来、可憐な美しいキャラクターを演じてきたオリヴィア・デ・ハヴィランドが前半はモテなくて内向的な女性を、そして後半は復讐を心に秘めた女性を見事に演じています。その相手のモリスの役を若き日のモンゴメリー・クリフトが本心の分からない柔な青年モリスの役にピッタリとハマっています。

🖋さらにウィリアム・ワイラー監督の静かなモノクロの映像美とアカデミー作曲賞受賞したアーロン・コプランドの美しい奏が物語を盛り上げています。

🖋ストーリーの肝として、結局、つねに亡き妻と娘キャサリンを比べ続けた父親はどこまで娘を愛していたのか?青年モリスはほんとうにキャサリンを愛していたのか?このあたりのところが不透明なまま鮮烈のラストを迎えるので見終わった後にはいかにも悶々とした気持ちが残る作品です。。。

😵Story:(参考: yahoo movies)
NYの高級住宅地に邸を構える医師スロッパーは無器量で社交的でない一人娘キャスリンの行く末を案じていたが、彼女を家事や刺繍に閉じ篭らせていたのは、彼が断ち難い想いのあまり亡妻を理想化し、そのイメージを彼女に押しつけていたせいもあった。スロッパーの妹ラヴァニアの計らいでキャスリンと出会った青年モーリスは彼女に興味を示し、舞踏会用の手帳のパートナー欄に立て続けに彼女の名を記す……。

🔸Database🔸
・邦題 :『女相続人』
・原題 :『The Heiress』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1949
・日本公開 : 1950/11/12
・上映時間 : 115分
・受賞 :
第22回アカデミー賞 美術賞 作曲賞 衣装デザイン賞 主演女優賞
第7回ゴールデングローブ賞 主演女優賞
・監督 : ウィリアム・ワイラー
・脚本 : ルース・ゲイツ、オーガスタ・ゲイツ
・原作 : ワシントン・スクエア、女相続人
・撮影 : レオ・トーヴァー
・音楽 : アーロン・コプランド
・出演 : オリヴィア・デ・ハヴィランド、モンゴメリー・クリフト、ラルフ・リチャードソン、モナ・フリーマン、ミリアム・ホプキンス

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ミニヴァー夫人」「我等の生涯の最良の年」のウィリアム・ワイラーがパラマウントに入社しての第1回製作・監督に当たったもので、19世紀の心理小説家ヘンリー・ジェームズの小説『ワシントン街』より、ルース及オーガスタス・ゲーツが戯曲化した「女相続人」に取材、劇作者が映画用に脚本を書き改めている。撮影は「蛇の穴」のレオ・トーヴァー、音楽は「我等の町」のアーロン・コープランド(アカデミー音楽賞)。出演者は「遥かなる我が子」に次ぎ、再度アカデミー賞を獲得したオリヴィア・デ・ハヴィランド、「捜索」のモンゴメリイ・クリフト、「堕ちた偶像」のラルフ・リチャードソン、「旧友」のミリアム・ホプキンスのほか、「恋文騒動」のモナ・フリーマン、「ボストン物語」のヴァネッサ・ブラウン、「サンマー・ホリデイ」のセレナ・ロイル等である。
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