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モスラ対ゴジラのkazu1961のレビュー・感想・評価

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)
3.5
▪️Title : 「モスラ対ゴジラ」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1964
▪️JP Release Date :1964/04/29
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-385 再鑑賞
🕰Running Time:89分
▪️My Review
本作、ゴジラシリーズの第4作にあたり『モスラ』の続編でもある作品です。そして、本作でのゴジラはモスラに対する悪役であり、昭和シリーズで唯一、怪獣同士の闘いにおける黒星を喫しているんですね。そう、ゴジラは完全な悪役であり、その顔も最高に怖い作りになっており、モスラとともに双方の持ち味が出た怪獣映画の名作の一本です。
今回の主要襲撃地点は名古屋。その特撮技術も進化の一歩をたどり、非常に円熟した特撮ワークが観られる作品です。4Kリマスターでもモスラ成虫の操演仕掛けが全て明らかに出来ないほど緻密な動きをしています。また、第1作のオマージュ的に鉄塔や岩場が熱線受けてドロドロに溶ける場面があるほか、随所にコマ撮りも導入され、中盤の山場である『モスラのタマゴを破壊しようとするゴジラに、残り僅かな命で果敢に挑む成虫モスラが何としてもタマゴから遠ざけ、最期の技の毒鱗粉を撒き散らし、放射熱線の直撃を受けつつなおも闘い続ける』という場面はCG全盛期の現代においてもまさに怪獣同士の死闘の名シーンのひとつだと思います。
そして、前述のように本作のゴジラは全くの悪役。その容貌の怖さを含めて、オールタイムゴジラでもこのゴジラスーツは昭和作品随一の人気なんですね。
その脚本も秀逸で、“新聞が権力を握ったらどうなるんだ!!”。。。一見単純な娯楽作品の体裁をとりつつも、いつもの原水爆批判に加え、「観光開発ブーム」「背後の興行師による暗躍」「新聞の第三権力化」など、さり気なく当時の世相への批判が盛り込まれているのが関沢新一の脚本が巧みなところです。
また、小美人役のザ・ピーナッツは『モスラ』と同役で起用され、素晴らしいコーラスで『モスラの歌』を本作でも聞かせてくれます。
あの周防正行監督も、「初めてハマったポップカルチャー」として本作を挙げているんですよね。
物語は。。。
巨大台風の影響で、巨大な卵が日本の静ヶ浦に漂着。卵を調査した三浦博士や新聞記者の前に小美人が現れ、その巨大な卵はモスラの卵である事を明かします。時を同じくしてゴジラが出現し、四日市、名古屋を襲撃。さらにモスラの卵のある静ヶ浦に迫った時、卵の危機を救うため南海の秘島インファント島よりモスラが飛来し、2大怪獣の決戦の火蓋は切られます。しかし寿命のせまったモスラはゴジラの敵ではなく敢無く絶命。だが小美人が祈りの歌を歌う中、卵がかえり始めるのでした。。。

▪️Overview
「海底軍艦」の関沢新一のオリジナル・シナリオを「海底軍艦」の本多猪四郎が監督した空想怪奇映画。撮影もコンビの小泉一。(引用:映画.com)

出演は、宝田明、星由里子、小泉博、ザ・ピーナッツ、藤木悠、田島義文、佐原健二、沢村いき雄、藤田進、田崎潤。
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