碧

夏の嵐の碧のレビュー・感想・評価

夏の嵐(1954年製作の映画)
3.7
失って初めて大事なものと気がつく。
失うまでは当たり前だと思っているのに。
夫を裏切り、祖国のために戦ういとこを裏切り、何もかも捨てて道ならぬ愛を注いだ敵国の将校とは最後最悪の結末を迎える。

悪い男に騙されたなんて言い訳は、いい大人なんだから通用しない。
自ら選んで不倫をしたどうしようもない女、悪い女。
でも最後、その表情に男への憎悪や達成感はない。
化粧は涙で剥がれ、艷やかだった髪はバラバラ、今にも倒れそうな足取り、青ざめた表情が哀れに美しいと感じてしまう。
碧