ヴィスコンティ監督の初のカラー作品。デビュー作「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1942)や「揺れる大地」(1948)で貧しい庶民を描いたリアリズモとは打って変わり、後期作品に繋がる貴族描写が幕を開けた作品。原題は「Senso, (官能)」。
イタリア・オーストリア戦争の頃、イタリアのリヴィア伯爵夫人は、オーストリアの若い将校フランツの虜になってしまう。しかしフランツは恋に盲目になったリヴィアを利用して彼女の従兄を流刑に、さらに彼女の金を使って医者を買収し軍隊から逃れるのだった。。。
映画史でも革命的な華やかさだったと思われる。ストーリーはシンプルな不倫メロドラマで直線的に話が進んでいく。当初の米題は「ふしだらな伯爵夫人」だった。個人的にはそれほど魅かれない映画だったが、ヴィスコンティ監督ならではのデティールの追及は一見の価値がある。
※コストがかかりすぎて映画会社からクレームが入ったとのこと