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ベルセルク 黄金時代篇 III 降臨のKUBOのレビュー・感想・評価

5.0
「大ベルセルク展〜三浦建太郎 画業32年の軌跡〜」へ行くまえに『ベルセルク』3部作を復習、その3。

あの、マンガ史上、最も忌まわしい「蝕」を描いた第3部『降臨』。よくここまであの「蝕」の世界をアニメーションで描いたと思う。子供の頃に見たらトラウマになってるかもしれない。

マンガで初めてこのパートを読んだ時、「今までの鷹の団の話は何だったんだ?」って、かなりショックを受けたのを覚えている。

だが、あくまでもこれは起承転結の「転」、いや、本作ラストにも “This is only the beginning.” と出るが、ここまでの話は「序」に過ぎず、ここから本当のダークファンタジーとしての『ベルセルク』が始まるわけだ。

この続きは WOWOW でアニメシリーズとして2シーズン制作されたが、キャスカを連れたガッツは新しい仲間と共に魔族が蔓延る荒廃した世界を旅していく。

原作でもやっとキャスカが正気に戻って「さあこれから!」という時に、原作者の三浦健太郎氏の訃報。一報を聞いた時にはファンとして途方に暮れた。

まだまだ終わらなそうなガッツの旅路の果てに、三浦健太郎は因縁のガッツとグリフィスの2人にどんなラストを考えていたのだろう?

未完のままで終わらすにはもったいない名作だと思うのだが、伊藤計劃が死んだ後に円城塔が引き受けたみたいに、誰か信頼できる『ベルセルク』ファンの大物がこの先を書いてくれないかなぁ? でも誰がどんなものを書いても文句が出そうだから誰も書かんか。というか、あの圧倒的な筆力での書き込みは誰にも真似できないね。『ミリオンジョー』みたいに作者のノートとかにストーリーだけでも書いてないかなぁ?

原作から数えれば、もう30年にも及ぶ長い長いガッツの旅路。その先はファンひとりひとりの思いの数だけあるだろう。

さて、あの「蝕」を再現した大型ジオラマもあると言う「大ベルセルク展」楽しみだ。行って三浦健太郎氏のご冥福を祈ってこよう。



【2013 アーカイブ】*以下、公開当時の完成披露試写会でのレヴュー再録

「ベルセルク 黄金時代編III 降臨」の完成披露試写会に行ってきました。

ものすごい出来です! 圧倒的画力➕CGの融合! どうやってあの「蝕」を映像化するのだろうと思っていたが、すごいイマジネーションでスクリーンの上に描いてみせてくれました。

もちろんベルセルクを知らない人には、この作品だけでは気持ち悪いだけで理解不能ですが、ぜひ1と2はDVD借りて見てもらって、日本のアニメ史上に残るであろうこのシリーズを体験してもらいたい。

舞台挨拶ではガッツの声をしている岩永洋昭(仮面ライダーオーズの伊達さん)はそのまま実写でガッツを演れそうな勇姿を見せてくれた。

またCHEMISTRYの川畑要が主題歌を生で歌ってくれるなどサービス満点の試写会でした。
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