オーウェン

アヒルと鴨のコインロッカーのオーウェンのレビュー・感想・評価

4.4
間違いなく伊坂幸太郎作品の中でも最高の再現度を誇る作品。
本を読んだそのままの驚きが伝わってきて、2度目を見返してもその仕掛けの巧さに納得させられる。

ボブ・ディランの歌で知り合った椎名と河崎。
そこへ河崎が一言「一緒に強盗しないか?」

ここから始まる奇想天外なミステリだが、真相が分かるにつれ隠れていた切ない物語が見えてくる。
すべて分かれば最初の出会いからこのミステリが作られている事実に唖然とする。

濱田岳は伊坂作品には欠かせないし、瑛太や関めぐみも作品特有の空気感をきっちり表現している。

ネタバレできない作品だが、この妙なタイトルも最後まで見るとこれしか合わないなとスッキリさせる仕組み。やっぱ伊坂作品では一番だわ。
オーウェン

オーウェン