スピルバーグの『太陽の帝国』にも近い、叙情的でリアルな戦争映画。監督は赤狩りブラックリストにも乗ったフレッド・ジンネマン。
役者が抑制された演技で総じて素晴らしい。主演のモンゴメリー・クリフトを始めチェコ人の子役の演技など、アメリカ映画というよりもイタリアン・ネオレアリスモや初期ロベール・ブレッソンの雰囲気があり格調高い作風だと思った。
どちらかと言えば、ジンネマン監督はハリウッド的な作風じゃないからヨーロッパで撮ると成功しそうな感じがする。あまり脳天気で薄っぺらいハリウッド映画が好みじゃない…という生真面目な方に是非オススメの感動のヒューマン・ドラマ。
観終わった後、切ない余韻に浸れます。