似太郎

ラストシーンの似太郎のレビュー・感想・評価

ラストシーン(2001年製作の映画)
3.7
【題材が良いだけに】

中田秀夫は才能ある監督だと思うが、やはり本作も不完全燃焼に終わっている。試みとしては相当面白いのに拙いシナリオ構成で完全にぶち壊された印象を受ける。昔観たのだが全く内容を覚えてない。

この監督だけに画面造形はしっかりしておりさすがはプロの仕事っていう気はするのだが、本家トリュフォー『アメリカの夜』やゴダール『軽蔑』と比べるとだいぶ内容がチグハグで薄っぺらい。この手の映画内映画という意味でもデビュー作の『女優霊』には遠く及ばない出来になってしまった。

ただこの監督、主演の麻生久美子を始め女優の使い方が上手いから男性優位な黒沢清よりも遥かにヨーロピアンな感触があって何かと気になる存在ではある。そういう意味ではかなりの映画的教養人だと思う…。🤔
似太郎

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