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座頭市喧嘩太鼓のcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市喧嘩太鼓(1968年製作の映画)
4.0
盲目の座頭市が的当て屋で達磨さんを落としまくるコミカルなシーン。ヒロイン三田佳子の悲劇的な過去が不意にフラッシュバックするその映像が、サイケデリックなスローモーションではっと息を呑む。他にも暗闇で照明を上手く使った斬り合いのシーンなど、三隈研次監督らしい映像への拘りや工夫が随所に。イイネ!

本作は1968年公開、シリーズ19作目。第1作が1962年公開なので、実に6年間で19作という超ハイペース。本作は些か深みと凄みには欠けるものの、シリーズの定番要素がバランスよくまとめられていて充分楽しめる。これでラストの浪人・佐藤允との対決にもう少し見せ場があればなぁ。とは言え一定の緊張感があるのは流石で、市に斬りつけられた浪人が手ぬぐいをグッと噛みしめ痛みに耐えるシーンは佐藤の熱演と相俟って見応えがある。
共演者は特にコメディリリーフ系のキャストが良い。イチと絶妙のコンビネーションを見せる藤岡琢也、的当て屋の夫婦・玉川良一と曽我町子も笑えるし、ミヤコ蝶々は普通に上手い。勝新のコメディ演技も絶好調。
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