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メル・ブルックスの大脱走のHKのレビュー・感想・評価

メル・ブルックスの大脱走(1983年製作の映画)
3.8
独軍将校A「ハイル!ヒトラー」
独軍将校B「ハイル!ヒトラー」
ヒトラー本人「ハイル!マイセルフ」(万歳!自分)

メル・ブルックスによるコメディ作品です。
今回は製作・主演は本人ですが監督は別、しかもリメイクという珍しいパターン。
紛らわしい邦題ですが映画『大脱走』とは全く無関係。
オリジナルは1942年のエルンスト・ルビッチ監督作です。
原題は“To Be or Not To Be” お馴染みシェイクスピア「ハムレット」の名セリフ。
さやかさん、 やっと観れました。面白かったですよ!

舞台は1939年、ナチス侵攻前後のポーランドの首都ワルシャワ。
スパイ騒動に巻き込まれたブルックス率いるポーランドの劇団ブロンスキー一座のワルシャワ脱出劇が描かれます。
一座の出し物はシェイクスピアの他、ゲシュタポとヒトラーが題材のミュージカル・コメディ。
オープニングから実の夫婦でもあるブルックスとアン・バンクロフト(『奇跡の人』『卒業』)が舞台で歌って踊っての鴛鴦ぶりを見せつけます。

ブルックスは監督デビュー作『プロデューサーズ』でも劇中劇“ヒトラーの春”でヒトラーを茶化してましたが、本作でも徹底的にナチス・ドイツとヒトラーをおちょくってます。
「ポーランドを一切れ♪フランスを一切れ♪ついでに~♪」
ブルックスがヒトラーに扮して劇中で歌って踊るミュージカル・パートがケッサク。

ブロンスキー夫人(バンクロフト)の大ファンの空軍中尉ソビンスキーを演じるのはティム・マティスン(『アニマル・ハウス』『1941』)。
独軍スパイのシレツキー教授には重鎮個性派のホセ・フェラー(『赤い風車』『ケイン号の叛乱』)。
ゲシュタポのエアハルト大佐役のチャールズ・ダーニング(『スティング』『狼たちの午後』)は本作でオスカーとゴ-ルデングローブの助演男優賞にWノミネート。
その側近シュルツ役にクリストファー・ロイド(『バック・トゥー・ザ・フューチャー』)。

オリジナル作品ではないせいか、ブルックス特有の下品なギャグや楽屋落ちは若干抑え気味(?)、とくにお得意の下ネタは控えめでした。
ただ、当時のポーランドが今のウクライナと被って見えてしまうのが・・・
ちなみにブルックスの父はポーランド系ユダヤ人、母はウクライナ系ユダヤ人だそうです。
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