ケニチロー

黒い潮のケニチローのレビュー・感想・評価

黒い潮(1954年製作の映画)
4.0
▪︎下山事件〜三鷹事件をベースに描く新聞記者モノ。井上靖原作、監督主演が山村聰。

▪︎当時の〝蒸しに蒸す夏の夜〟といった描写、新聞社内の仮眠室(二段ベッドがズラリ)のセットなどがリアル。山村聰が呼ばれたり呼ばれなかったりする編集会議も面白かった。

▪︎山村聰は完膚無きまでに負けるも、あの鼻とつぶらな黒眼で「まだ事件は何も解決しちゃあいないんだ」

▪︎左幸子がエマ・ストーンみたいだった。

▪︎小津タイムラインで言えば『宗方姉妹』『東京物語』に出演し本作を監督、その三年後に『早春』のチョイ役(脱サラ後にBAR経営者)

▪︎自伝によると小津演出から色々と吸収しようとする記述ありとのこと(未読)。作品としてはディゾルブの多用など、1953年にしてはモダンな作りで面白かった。他の作品も観てみたい(が、神保町シアター他でかかるのを指を咥えて待つしか無さそう……)。
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