トシオ88

黒い潮のトシオ88のレビュー・感想・評価

黒い潮(1954年製作の映画)
3.8
国鉄総裁下山事件、戦後日本の闇とされる事件の一つ。事件発生直後から真実を追い求める新聞記者役の山村聰が辿り着く果てにあるものは…。
井上靖原作を、俳優山村聰が監督も務めたドキュメンタリー的な作風だが骨太で楽しめた。
当時の新聞社のオフィスの情景、東京オリンピックの前には沢山あった銀座の運河、そうした運河沿いの料亭、銀座和光がまだまだ一番高い建物だった時代…。下山総裁の轢死が自殺か他殺か…。記事を巡ってヒートアップしていくマスコミも、いい意味でも悪い意味でも今より気骨があったと感じられる。そしてタバコ🚬の煙が満ちて、クーラーのないオフィス。氷の塊が部屋の凉をとる唯一の手段だなんて初めて知った。
真実は一つの筈が、最後に得体の知れない権力の力で曖昧にされる不気味さ。女優の津島恵子、左幸子の可憐さが華を添えるけど、左幸子がとてもキュートだった。いつでも観れると思っていた日活の旧作がアマプラから急速に消えていく…。見逃さないようにしないと😨🎬
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