ゆみモン

黒い潮のゆみモンのレビュー・感想・評価

黒い潮(1954年製作の映画)
3.7
原作:井上靖
脚本:菊島隆三
監督・主演:山村聰

山村聰をはじめ、津島恵子、信欣三、滝沢修、東野英治郎、左幸子、杉村春子…といった実力派がキャスティングされている。

1949年に起こった下山事件(国鉄総裁轢死事件)の真相を追いかける記者たちを追った社会派作品。
事件の概要を描くことよりも、新聞記者の視点に絞ったのが素晴らしい。山村聰演じる社会部デスクを通してメディアの公平性が揺るがされる様を骨太に描いている。
ジャーナリズムの本質、メディアの役割ということについて、考えさせられた。根本的な部分は現代でもあまり改善されておらず、真実を伝えることよりも、派手で目立つスクープ合戦に走るメディアは変わっていない。

▶山村聰演じるデスクが、真面目で固すぎる! 津島恵子演じる、恩師の娘さんを素直に妻に迎えれば良かったのに…。
▶デスクをひたむきに慕う、左幸子演じる新聞社の女性事務員?が、健気で可愛い。