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狂熱のsonozyのレビュー・感想・評価

狂熱(1921年製作の映画)
4.0
1937年創設の最高のフランス映画に与えられる「ルイ・デリュック賞」に名を残す、33歳で夭折したフランスの映画監督、脚本家、映画批評家、著述家。
その名作と言われる1921年の本作。仏語ですが字幕(インタータイトル)入りの高画質45分ver.がここで見れます。

HENRI - La Cinémathèque française
https://www.cinematheque.fr/henri/film/48026-fievre-louis-delluc-1921/

舞台はマルセイユの港町でトピネリとサラが営む酒場。
客は、トランプに興じる男たち、暗めの男、パイプくゆらす女、去った男を待つ女など。
トランプやってる気の弱そうなメガネ君は、サラに惚れちゃってる様子。

船が着き、船員たちが店にやってくると、娼婦たちも集まり、店は賑わう。(猿を連れた船員がいたり、長崎土産というちょんまげ人形が出てきたりが面白い)

病床で看病してくれた東洋の女を連れた船員ミリティは、サラの元カレで、互いにまだ思い合っていた。
みながダンスを始めると二人も踊り、トピネリは二人の関係に気づく。

狂熱入り乱れていく酒場・・・

個性あふれるキャストたちとその顔芸。
サラと東洋女の厚いおしろい化粧。
猿、ちょんまげ人形、東洋の女・・といった異質な要素がカオス化に効いてる。
メインの酒場(セピア)、船/港(グリーン)、回想(ピンク/レッド/ブルー)とモノクロながら色調を変えているのも分かりやすい。

東洋の女が惹き付けられる花瓶の銀の花と彼女の表情が印象的。
酒場というワンシチュエーションでのドラマ性、素晴らしい。
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