kazu1961

一人息子のkazu1961のレビュー・感想・評価

一人息子(1936年製作の映画)
3.8
▪️JPTitle :「一人息子」
ORTitle: ※※※
▪️First Release Year : 1936
▪️JP Release Date : 1936/09/15
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-168 再鑑賞
🕰Running Time : 87分
▪️Director : 小津安二郎
▪️Writer : 池田忠雄、荒田正男
▪️MusicD : 伊藤宣二
▪️Cast : 飯田蝶子、日守新一、葉山正雄、坪内美子
▪️Review
東京の原っぱ、隅田川永代橋(いま近くに住んでるので感慨ひとしお)、雲雀の声、夜鳴きそば、馬に蹴られる事故。。。1930年代ならではの時代の原風景や出来事、習慣や調度類などを体感しながら、シンプルながらもこの時代に暮らす庶民の生活や心情が見事に伝わってくる作品です。
本作、小津安二郎監督初のトーキー作品です(茂原式トーキーというらしいです)。作中でも母親に浅草でトーキー映画を紹介するシーンもあります(「未完成交響楽」だとおもうのですが)。
後の小津安二郎監督ならではのほのぼの感やコミカルさはこの時代背景のためか控えめのシリアスな作品になっています。
子供に期待する親とその期待に応えられず悩む息子の姿を描いて、誰もが直面するかもしれない問題を描いた作品です。
後に多くの作品に明るいお婆さん役で出演してしている飯田蝶子が母親役を演じています。そして若かりし日の笠智衆も。
少し残念なのは、古い作品のため音声が乱れて聞き取れない部分が多いところですが、仕方ないですね。。。

物語は。。。
早くに夫を亡くしたつねは、田畑を売り身を削って一人息子の良助を育てました。優秀な成績を誇る息子のため、つねは苦しい生活の中から進学のための資金を捻出。しかし13年後、東京で出世しているはずの良助は、夜学の教師となっていて、妻子とともに貧しい生活を送っていました。しかも良助は教師をしていることも所帯を持っていることも、母親に知らせていませんでした。上京したつねは厳しい現実を目の当たりにし、絶望感に包まれてしまうのですが。。。

▪️Overview (映画. comより)
小津安二郎がゼームス・槇名義で書き下ろした原作を自らのメガホンで映画化した、小津作品初のトーキー映画。信州の田舎町で、身を削って働きながら女手ひとつで息子を育てあげた母親。大学進学を希望する息子のため、貧しいながらも何とか学費を捻出して東京へと送り出す。ところが数年後、東京で出世しているはずの息子のもとを訪れた母親は、息子が夜学教師として妻子とともに貧しい生活を送っていることを知り、愕然とする。
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