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ストライキのmareのレビュー・感想・評価

ストライキ(1925年製作の映画)
4.0
描いてる内容こそ圧倒的な絶望でしかないが、凄まじい速度でモンタージュが展開され、アクション映画と形容しても良さそうな怒りの解放の映画だと思う。サイレント映画の時代に風穴を開けた革新性はこの映像表現を見れば一目瞭然。ひとたび暴力に身を任せれば止まることのない悲劇の連鎖が始まり、労働者たちの訴えは言葉の通わない破壊衝動のみとなって、火種だったものが燃え広がり、周囲は火だるまとなって無が辺りを支配する最悪の結末を迎える。このスケールの大きさや劣悪な環境もあって歴史の一部分として見てしまいがちだが、心に抱える不満、見合うことのない労働、社会への怒りは生きていて日々痛感する部分だし、背負い続けなければならない宿命のようなものだと大した期待などせずに憂う。
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