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ショーシャンクの空にのwisteriaのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.6
2022年5月20日金曜ロードショー放送記念!ということで久しぶりにNetflixで再鑑賞(地上波放送中は仕事だったんですよね💦)

んー、改めて、良い映画ですね😭
年経て再見して気付く良さもありました。原題は"The Shawshank Redemption"でショーシャンクの贖罪、といった意味。初見時、アンディ(ティム・ロビンス)は無実の罪のはずなのになんで「贖罪」?とか思っていたけど、これはいろんな意味が込められている感じですかねー。アンディの?語り手であるレッドの?はたまた原罪を背負う人間の?見直して改めてキリスト教神秘主義的な背景も随所に感じられた。

間男と不倫していた奥さんとの関係性についても、いまならそのニュアンスがわかるところもある。アンディは実直な良い人でしょうけど、自ら語っていたように旦那としては……人生にはああいうことも起こりうる、という描き方になってますね。ティム・ロビンスの終始何を考えているのか、どう感じているのかわからない演技も味わい深いし、それを引き立てるモーガン・フリーマンの渋いナレーションと時折見せる破顔が素敵。

今回観ていて意識したのは類似シーンの反復とそれを微妙にズラしていく巧みさ。例えば、先に仮釈放で外に出ることになった図書係の老囚人ブルックス(ジェームス・ホイットモア)のシャバに適応できない有り様と後に幾度かの面接の末に同様についに仮釈放されることになるレッド(モーガン・フリーマン)のそれとの反復とズラし。ガチの碌でなしノートン刑務所長が'His judgment cometh and that right soon'「主の裁きは下る いずれ間もなく」などと皮肉にも書いてある額縁の裏の隠し金庫に不正な蓄財を繰り返しているのと対照を成す反復として、アンディがリタ・ヘイワース→マリリン・モンロー→ラクエル・ウェルチと時代と共に変わっていった牢屋の壁に貼っていた等身大ポスターの裏でこっそり行なっていたこと……基本的に同じことの繰り返しのように過ぎていく獄舎での暮らしの中で、20年間弛まず不屈の「希望」の反復と継続に生きた作品の主題に相応しい描き方と思った。その反復のイメージをしっかり定着させた撮影監督のロジャー・ディーキンス、陰影の付け方、例の雷雨にうたれるシーン、ラストのあのロングショット、素晴らしく印象に残る撮影の数々。

こういう一昔前の作品が地上波📺放送にかかるというのは嬉しいことですね!もっとも私自身は今ではめっきりTVをつけることすら減ってしまいましたが。。
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