オーウェン

戦争のはじめかたのオーウェンのレビュー・感想・評価

戦争のはじめかた(2001年製作の映画)
4.2
911以降ではこんな作品は中々作られていないが、このような戦争を風刺するシニカルなブラックコメディは実に面白い。

軍内の暗部を実話な部分も交えて作品化。
こんな内容ならそりゃ公開延期にもなるよな(笑)
麻薬を内緒で精製し売り捌き、上官には口止め封じ。ここに厳格な曹長がやってきてひと波乱という展開。

何が良いかは出てくる人間全て暗部を持ち合わせている点。
ホアキンは最後まで悪人風味で、観てるこちらの思いを巧みにリード。エド・ハリスの出世欲にまみれて堕ちていく過程も実に上手い。

そしてスコット・グレンは最大のヒット。
軍の良き規律を守る男かと思いきや、自分の娘を取られたとこからホアキンに復讐心をもち、結局最後は人間の本性が出る。

戦争がなければ平和というのは間違いだという逆説的考え。
大いに論争を呼ぶ考えと、平和に対しての疑問。鋭い指摘を出しながらも、物語として成立させている手腕に脱帽です。
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