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コララインとボタンの魔女のmitakosamaのレビュー・感想・評価

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)
3.7
ナイトメアビフォアクリスマスのヘンリーセリック監督作。

やっぱりナイトメア・ジャイアントピーチ・コープスブライド・フランケンウイニーと、ダークファンタジー系ストップモーションアニメはティムバートンの色合いが強かったからね。
先ず今作がキャラクターデザインを変えバートン色からの脱却をしたのは本当に評価する。(デザイナーは日本人らしいね)

作風のマンネリ化を防いだと思ったが、一方でダークファンタジーから寧ろホラーの色合いが強くなったわ。
引っ越した先の隠された扉の奥に異世界がある…ってこのシチュエーションは否が応でもパンズラビリンスを思い出すよねぇ。

謎の扉を抜けると、元いた世界と似て異なる別の世界。
仕事が忙しくイライラした現実世界の両親とは違う、優しい両親。

でも目玉がボタン。
…うへぇええええ。なにこの生理的にゾワッとくる怖さ。別世界は確かに夢の様にファンタジックだが、常にどこか背筋が寒くなる気持ち悪さが付きまとう。またコララインが割とクールな性格で警戒心が決して消えていないのも緊迫感を煽るわ。

しかし、何がビックリしたって、人形のお芝居の巧さだよ。
アニメーションは人の手で動かすものなので、基本的にアクションはデフォルメされがち。だから“普通に歩く” “普通に突っ立ってる”という演技は本来一番難しいんだ。
でも、冒頭での引っ越し屋さんの動きを見て驚愕したわ。“演技してない演技”を人形にさせてる!これが如何に凄いことか!!!
全編通して“動き”は過去のストップモーションアニメとは比較にならないくらい進歩してると断言するわ。
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