カミワザ

バタフライ・エフェクト3/最後の選択のカミワザのレビュー・感想・評価

3.8
『バタフライ・エフェクト』三作目。
前二作目と同じく、過去へ戻る能力を持った別の主人公の物語なので、前作との繋がりは無し。

二作目でずっこけて、本作はどうなの??と評価するのは中々難しい。本作は良し悪しがはっきり出ている作品だったと思います。
しかしながら、シリーズの売りである、”バタフライ効果”を存分に味わえた為、私は面白いという満足感の方が強かったです。

本作の主人公サム(クリス・カーマック)は前作までの主人公と違い、
過去を移動できる能力を身に付けている事をはじめから自覚している所がポイント。
しかも一度過去の変えた事による苦い経験も持っている事から、過去での行動はあたらず触らずに徹している。
そしてその能力を活かし、凶悪事件の解決に協力している、いわば霊能者!?のような生活をしております。
しかし彼にも10年前恋人が殺害された事件の真相について拭いきれず、過去を変えてしまうのである。

収録時間が90分と短い為、過去へ戻る能力や、サムの理解者である教授の素性等が説明されてないのが残念。
そういった意味で、未見の方には前作迄の予習をしておいた方が楽しめるのかもしれません。

葛藤の末、サムは10年前の恋人を守る為、過去へ再び戻る事になるのですが、
過去を変える度に現在の生活が歪んでいく・・・おかしい何故か?
本作、よりサスペンス調が強く出ている印象を受けましたが、サスペンス×タイムスリップを上手く融合し、スリリングに展開する仕上がりになっていました。
しかもあえて、物語の途中で事件の真相を伝えようとしたその辺の盛り上げ方も上手い!私は見事に釣られました。

まさか・・・まさか・・・まさかっ!!  ってね・・・

それでもここまで盛り上げていながら、最後の結末は拍子抜け。
今までのシリーズとは明らかに違う、サスペンスらしいラストなんですが、はっきりいって、物凄く物足りない!!
しかもサムが選ぶ最後の決断に、観ている側の共感は得られるのでしょうか。
本当に最後が勿体ない、惜しい作品でした。

もう続編は作らないかな?
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