No.3750
ろう学校に通う児童たちや、聴覚障がい者の生活に迫ったドキュメンタリー。
彼らが「手話」という言語を使って、軽々と国境を越えて他国の人と「会話」しているのを見ると、
「言葉」を使ってさえも、うまく相手と意思疎通できなかったり、ましてや他言語を使う外国人とは会話すらろくにできない健聴者のほうが、不自由なのではないか、とすら思ってしまった。
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今でこそ、メールやウェブカメラを使えば、遠距離でも聴覚障がい者同士が連絡を取ることは容易だが、
この映画ができた90年代当初ではまだそういったツールは発達しておらず、
電話でコミュニケーションすることのできない彼らは、いったん別れたら次は相手と面会するまで「会話」することができない。
そんな彼らが、悲しみを全身で表現するかのように別れを惜しんでいるシーンには、考えさせられるものがある。