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銀座化粧のあのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
3.8
女の酸いも甘いも化粧台の前で噛み分ける成瀬巳喜男。流石です。

同じ星を見上げるという体験に、雪子と京子の間で差ができてしまうところが残酷でした。京助にとって、雪子は星を説明する相手、京子は窓辺で語らう相手だった訳ですね。

そうした差をあの北斗七星のインサートがあるかないかでしれっと見せてしまうところが素敵でした。

「女が階段を上る時」に比べると、夜の街への踏み込み具合や、男との関係性の描き方が弱かったため残念でしたが、これが「女が階段を上る時」の原型になったのかと考えると十分素晴らしかったです。
あ